「コマンドフックを使ってたら急にフックが剥がれ落ちた…」
「壁紙まで一緒にベリッと剥がしてしまって、原状回復が心配…」
このような失敗経験はありませんか?

賃貸住宅で「壁を傷つけない」と評判のコマンドフックだけど、実際は剥がれたり壁紙を傷つけたりすることが多いんですよね…
「壁を傷つけずに、キレイにはがせる」という魅力的なキャッチコピーに惹かれて購入した3Mのコマンドフック。
いざ使ってみるとフックが剥がれ落ちたり、最悪の場合、壁紙まで一緒にベリッと剥がしてしまったり…。
「原状回復」という言葉が頭をよぎり、冷や汗をかいた経験を持つ方は少なくないでしょう。

実は僕も賃貸住宅でコマンドフックを使って何度も失敗し、その度に「なぜ剥がれるんだろう?」と疑問に思っていました。
実は、コマンドフックと日本の住宅で広く使われている壁紙との間には、多くの人が知らない「相性」の問題が存在するのです。
この問題を理解しないまま使い続けると、残念ながら失敗を繰り返してしまう可能性が高いと言えます。

そこでこの記事では、僕自身が実際にコマンドフックで失敗した経験と、その後調べて分かった原因や解決策について詳しく解説していきます。
- コマンドフックが壁紙で剥がれる科学的な原因
- 壁紙を傷つけずに使う3つの解決策
- 万が一剥がれた時の補修方法
- コマンドフックの代替案
賃貸住宅でコマンドフックを安全に使いたい方は、参考にしてみてください。

- 長く愛せる “ちょっと良いもの”を集めるのがこだわり
- 本当に必要なものだけに囲まれた、シンプルで心地よい暮らしを追求中
- お気に入りの家具や家電の選び方についても解説
- 実際に使って感じた魅力や、便利な使い方などを詳しくレポートしています。
【要注意】通常のコマンドフックは「壁紙への使用」が推奨されていません

本題に入る前に、最も重要な事実をお伝えします。

実は、コマンドフックの中には、メーカーである3Mから「壁紙への使用」が推奨されていません。
実際、メーカーの公式HPに記載のコマンドフックには、注意事項が記載されています。
取り付けられないところ(凹凸面、ざらざら面、曲面、屋外):壁紙(塩ビ製、布製、紙製など)
コマンドフック 商品詳細ページ
パッケージの裏面にも「取り付けられない場所」として「壁紙(ビニール製、布製、紙製)」と明記されています。

僕も最初にコマンドフックを購入した時、パッケージの表面だけ見て「壁を傷つけない」という文言に安心して使ってしまいました…
「え、そうなの?」と思われたかもしれませんが、これが原因で壁紙の剥がれトラブルが多発しているのです。
実際に僕自身も通常のコマンドフックを壁紙に貼って、見事に壁紙ごと剥がしてしまった経験があります。その時は本当に冷や汗をかきました…。

なぜメーカーが壁紙への使用を推奨していないのに、多くの人が壁紙に使ってしまうのでしょうか?
その理由として、以下の点が考えられます。
- パッケージ表面の「壁を傷つけない」という宣伝文句が強調されている
- 裏面の注意書きを詳しく読まずに購入・使用してしまう
- 日本の住宅の多くが壁紙仕上げのため、他に選択肢がないと思い込んでしまう
- 「軽いものなら大丈夫だろう」という楽観的な判断
しかし、実は3Mからは壁紙専用のコマンドフックも販売されているんです!

知らない方も多いのではないでしょうか?
つまり、コマンドフック自体が悪いのではなく、「用途に合わない製品を使っている」ことが根本的な問題なのです。
次の章では、なぜ通常のコマンドフックが壁紙で剥がれやすいのか、その科学的な原因を詳しく解説していきます。
コマンドフックで壁紙が剥がれる原因とは?

まず最初にコマンドフックで壁紙などが剥がれる原因から解説していきます。

コマンドフックが剥がれる原因は、大きく分けて4つあります。
- 壁紙の種類との相性が悪い
- 貼り付け方が間違っている
- 耐荷重を超えている
- その他の要因
それぞれの原因について、順番に解説していきます。
壁紙の種類との相性が悪い
まず大前提として、コマンドフックは、すべての壁紙に適しているわけではありません。

特に以下の種類の壁紙は、コマンドフックとの相性がよくありません。
- 和紙壁紙:伝統的な和室などによく使われる和紙壁紙は、表面が柔らかく、粘着力が弱いため、コマンドフックが剥がれやすくなります。
- 土壁:土壁は表面がザラザラしており、粉が落ちやすいため、コマンドフックがしっかりと固定できません。
- 機能性壁紙:消臭や調湿などの機能を持つ特殊な壁紙は、表面にコーティングが施されていることが多く、コマンドフックの粘着力が十分に発揮されない場合があります。
- 凹凸のある壁紙:凹凸が激しい壁紙は、コマンドフックの粘着面が壁紙に密着しにくく、剥がれやすくなります。
これらの壁紙の場合はコマンドフックがすぐに落下する可能性があるので、注意しましょう。
貼り付け方が間違っている。
またコマンドフックを貼り付ける時に間違った方法で貼ると、剥がれやすくなります。

正しい貼り付け方を知らずに、適当に貼ってしまっていると、コマンドフックはすぐに剥がれてしまいます。
そのため下記の方法で順番に貼り付けると落下しにくくなります。
貼り付ける前に中性洗剤やアルコールを使って、貼り付け面の汚れ、ホコリ、油分をしっかりと落とします。
クリーニングクロスや柔らかい布を使用し、壁紙を傷つけないよう注意しましょう。
まずコマンドフックの裏面にある保護シールをはがし、壁紙に対して垂直に押し付けます。
その後、上から下に向かって、しっかりと押し付けて、気泡が入らないよう、端からゆっくりと押し出すように貼り付けるだけです。
貼り付けた後、少なくとも30秒から1分程度、しっかりと押し続けます。
室温が低い場合(15℃以下)は、粘着力が弱くなる可能性があるため、暖房を入れるなどして室温を上げてから貼り付けましょう。

このようにしてコマンドフックを貼り付けることで剥がれにくくなります。
耐荷重を超えている
またコマンドフックが耐えられる耐荷重も重要なポイントです。

耐荷重を超えるものを掛けると、コマンドフックが剥がれてしまう可能性が高くなります。
小型のコマンドフックは約450g未満など、それぞれ耐荷重が定められています。
重すぎるものを掛けると、コマンドフックが剥がれるだけでなく、掛けているものが落下して破損したり、床を傷つけたりする危険性があります。

そのためコマンドフックを使用したい荷物によってコマンドフックを選ぶと、剥がれにくくなります。
その他の要因
上記以外にも、以下のような要因がコマンドフックの剥がれに影響を与える可能性があります。

直射日光や高温多湿な環境など、直射日光が当たる場所や、浴室近くなどの湿気の多い場所では、粘着力が低下しやすくなります。
できるだけ直射日光を避け、湿気の少ない場所にコマンドフックを使用しましょう。
またどんなに優れた粘着剤でも、時間とともに粘着力は低下していきます。

定期的に点検し、粘着力が弱くなっていると感じたら、新しいものに交換することをおすすめします。
これらの原因を理解し、適切な対策を取ることで、コマンドフックの剥がれを防ぐことができます。
次のセクションでは、具体的な対策方法について詳しく解説していきます。
コマンドフックが剥がれずにしっかり貼る方法

ここからは、コマンドフックを確実に成功させるための具体的な対策をご紹介します。

下記の方法を実践すれば、コマンドフックが剥がれて困ることが少なくなります。
- 適切なコマンドフックを選ぶ
- 貼り付け面をキレイにする
順番に解説します。
適切なコマンドフックを選ぶ
まず最初に重要なのは、使用する壁紙や用途に合った適切なコマンドフックを選ぶことです。

コマンドフックは非常に種類が豊富なので、最適なものを選ぶことが重要です。
特に壁紙用に開発されたコマンドフックは、通常のものよりも粘着力が強く、壁紙を傷つけにくい設計になっています。
和紙壁紙や機能性壁紙など、デリケートな壁紙に使用する際はこのタイプを選びましょう。

湿気の多い場所用や、屋外用など、特殊な環境に適したコマンドフックもあります。
使用環境に合わせて、適切なタイプを選択することで剥がれるリスクを大幅に減らすことができます。
貼り付け面をキレイにする
コマンドフックの粘着力を最大限に引き出すためには、貼り付け面の適切な処理が欠かせません。

以下の手順で、コマンドフックを貼り付ける前にキレイにしましょう。
中性洗剤を薄めた水溶液や、アルコールを使用して、貼り付け面をきれいに拭きます。
柔らかい布やスポンジを使い、壁紙を傷つけないよう注意しながら丁寧に汚れを落とします。
クリーニング後は、完全に乾燥させることが重要です。
自然乾燥でもよいですが、急ぐ場合はドライヤーの冷風を使って乾燥させますが、壁紙から20cm以上離し、熱で壁紙を傷めないよう注意しましょう。
完全に乾燥したら、アルコールを染み込ませた綿棒やティッシュで、貼り付け面を軽く拭きます。
これにより、肌の脂など、目に見えない油分も除去することができ、念入りに掃除したい時に有効です。
アルコールで拭いた後は、再度完全に乾燥させます。
この段階で急ぐと、アルコールが残っていて粘着力が弱くなる可能性があるので、十分に時間をかけましょう。
これらの手順を丁寧に行うことで、コマンドフックの粘着面が壁紙にしっかりと密着し、剥がれにくくなります。
コマンドフックで壁紙が剥がれた!どうすればいい?【2つの補修方法】

まず最初にコマンドフックで壁紙が剥がれた時の対処法から紹介します。

コマンドフックで壁紙が剥がれてしまった場合、下記のような対処法があります。
- 軽度の剥がれの場合⇒壁紙用のりを使用する
- 重度の剥がれの場合⇒補修セットを利用して直そう
順番に解説します。
軽度の剥がれの場合
壁紙がわずかに剥がれただけの軽度な場合は、以下の方法で自己修復が可能です。

まず剥がれてしまった壁紙が利用可能な状態なら、ノリを使って貼り付けましょう。
貼り付けた後にしっかりと圧着するのがポイントで、ジョイントローラーなどがあると便利です。
ホームセンターなどでよく見かける下記のような商品を使うと便利です。

専用のノリもセットになっているので、自宅にある材料を利用するよりも綺麗に貼り付けが可能です。
注意点としては壁紙の素材によってはうまく貼り付けられない可能性があるので、必ず事前にテストしてから行ってください。
重度の剥がれの場合
壁紙が大きく剥がれてしまった場合や、破れてしまった場合は、補修セットを利用するのが便利です。

例えば下記のような補修セットなら、凹凸のある壁紙も補修が可能です。

基本的にはこのような方法で壁紙を補修すると良いでしょう。
一般的に、国土交通省のガイドラインでは、画鋲などの小さな穴は通常損耗とされますが、テープ等による壁紙の剥がれは入居者負担と判断されることが多いです。

ただし賃貸物件の場合、自己判断で補修する前に、まず管理会社や大家さんに相談するのが最も安全です。
【賃貸OK】コマンドフックの代わりに使える「傷つけない」おすすめ代替品3選
一度失敗して「もうコマンドフックを使うのは怖い…」と感じている方もいらっしゃるかもしれません。

僕自身も最初の失敗後は、「コマンドフック以外に壁を傷つけない方法はないだろうか?」と色々な製品を試してみました。
ここでは、改めて「コマンドフック壁紙用」の正しい立ち位置を確認しつつ、それ以外の優れた代替製品を2つご紹介します。
製品名 | 固定方法 | 特徴(メリット) | 耐荷重の目安 | こんな人におすすめ |
---|---|---|---|---|
コマンドフック 壁紙用 | シリコーン系粘着 | 穴を全く開けない。 正しい使い方をすればキレイに剥がせる。 | 500g〜1.5kg | 凹凸の少ないビニール壁紙で、 絶対に壁に穴を開けたくない人。 軽いものを飾りたい人。 |
壁美人 | ホッチキスの針 | 重いものも掛けられる。 抜いた跡が画鋲より小さい。 | 6kg〜24kg | 時計や棚、重いアートなど、 しっかり固定したいが ネジ穴は開けたくない人。 (※石膏ボード壁限定) |
ニンジャピン | V字型のピン | ピン跡が本当に見えない。 デザイン性が高く、気軽に使える。 | 約300g | ポスターや写真、カレンダーなど、 軽いものを跡を 気にせず頻繁に飾り替えたい人。 |
順番に解説します。
選択肢①【穴を全く開けない】コマンドフック壁紙用
まず再確認したいのが「コマンドフック 壁紙用」です。

「通常版」のコマンドフックであれば壁紙が剥がれる可能性が高いですが「壁紙用」専用の商品が発売されています。
- 正しく使えば、壁に全く穴を開けずにフックを設置できる唯一の選択肢です。
- 貼り付け前の清掃や、圧着後1時間待つといった手順を省略すると、結局剥がれ落ちる可能性があり。
- 布製や紙製の壁紙など、使用できない壁の種類もあるため、事前の確認が必要です。
壁紙用のコマンドフックは一般的な塩ビ製壁紙の凹凸に対応するため、医療技術を応用した特殊な「シリコーン系粘着材」と「壁紙保護シート」を使用しています。

壁紙にしっかり密着しつつ、剥がすときには壁紙を傷つけずにキレイに剥がせるのです。
正しく使えば壁に穴を開けずにフックを使える点が大きな魅力です。

選択肢②【重い物もOK】壁美人(ホッチキス式)
次に紹介するのが壁美人(ホッチキス式)です。

「時計や少し重い棚を飾りたいけど、ネジ穴は開けたくない…」そんな願いを叶えるのが「壁美人」です。
家庭にある180度開くタイプのホッチキスを使い、専用の金具を壁に固定するだけなので、壁に開く穴は小さく済む点が魅力です。
- 製品によっては耐荷重6kgや12kgといったタイプもあり、重い額縁やシェルフなども安心して設置可能。
- ホッチキスの針は非常に細いため、抜いた跡が画鋲よりも格段に目立たない。
- 石膏ボード専用の製品であり、コンクリート壁や板壁には使用できない。
- 固定には180度開くホッチキスが別途必要になります。
石膏ボード専用という注意点はありますが、ホッチキスの針を複数打ち込むことで、驚くほどの強度を発揮します。
重たい額縁等も使える耐荷重が大きい製品もある点が魅力と言えます。

選択肢③【跡がほぼ見えない】ニンジャピン
「ポスターや写真を気軽に飾りたいけど、小さなピン跡すら気になる」という方におすすめなのが「ニンジャピン」です。

最大の特徴は、ピンの断面が一般的な円形ではなく、V字型になっていることです。
- デザイン性が高く、壁に刺した跡が本当に目立たない。
- 軽いポスターやポストカード、カレンダーなどを、気分に合わせて何度も貼り替えたい場合に最適。
- 耐荷重は約300gと低めなので、時計や額縁といった重さのあるものには不向き。
この特殊な形状が壁紙の繊維を切り裂くのではなく、押し広げるように刺さり、抜いた後に壁紙が自然に元に戻り、ピン跡がほとんど見えなくなります。
対荷重が低い点がデメリットですが、ピンの跡が残らない点は大きな魅力だと思います。

コマンドフックを利用する前に知っておきたい注意点【Q&A】

最後にコマンドフックを利用する前に知っておきたい注意点を解説していきます。

簡潔にQ&A形式で紹介します。
コマンドフックを利用すべきでない場所はある?
通常版のコマンドフックは、賃貸の部屋など、絶対に壁紙を傷つけたくない場合は避けるべきです。
壁紙に使う際は、必ず『壁紙用』を選び、使用上の注意を守りましょう。
3Mってどこの国?
1902年に米国ミネソタ州ツーハーバーで設立された化学・電気素材メーカーです。
コマンドフックはどこで買える?
Amazonや楽天などのネットショップだけでなく、ホームセンターや一部のスーパーなどで購入可能です。
まとめ
コマンドフックで壁紙が剥がれる!落ちる時の対処法をまとめました。

コマンドフックが剥がれる原因は下記の通りです。
- 壁紙の種類との相性が悪い
- 貼り付け方が間違っている
- 耐荷重を超えている
- その他の要因
特に壁紙との相性の悪さや不適切な貼り付け方は落下する大きな原因になります。

また耐荷重オーバーや環境要因(直射日光、湿気)などにも注意しましょう。
これらの原因を避けて、壁紙が剥がれるのを防ぐには適切なコマンドフックの選択や貼り付け面の丁寧な処理が重要です。
また壁紙が剥がれてしまったときの修理方法としては、ダメージの大きさによってやり方が異なります。
- 軽度の剥がれの場合⇒壁紙用のりを使用する
- 重度の剥がれの場合⇒補修セットを利用して直そう

コマンドフックは、使い方次第で非常に便利なアイテムです。
この記事で紹介した方法を実践すれば、壁紙を傷つけることなく、安全かつ効果的にコマンドフックを使用することができるハズです。
ぜひ自分の使い方に合わせて、参考にしてみてくださいね!

